
デジタイザの構成
電子ペンを検出するデジタイザ本体の構成はとてもシンプルです。
主な部品は、センサーグリッドボードと磁性シート、コントローラASICなどです。
センサーグリッドボードにはトランスの1次コイルに相当する長方形の平たいコイルがたくさん並んでおり、電子ペンのコイルを2次コイルに見立てて、磁界を使ってエネルギーを授受します。
弊社は30年以前よりEMRのコントローラにはアナログデジタル混載のASICを自社で開発しており、これがと弊社の強みの一つとなっています。

電子ペンの構造と筆圧検出
電子ペンの構造図と等価回路図です。
電子ペンの回路はペンとイレーサ、それぞれに独立したL-C共振回路で構成されています。
この共振周波数は、ペンとイレーサで異なっていますので、コントローラASICは判別ができます。 また、筆圧によって容量が変化する可変容量デバイス(MEMS)によって、筆圧を共振周波数の「ずれ」に変換し、コントローラASICが筆圧検出をします。

EMRコントローラASICのブロック図

これは、EMRデジタイザコントローラASICのブロック図です。
コントローラASICは、MCUコアとデジタル信号処理回路、A/D、D/Aコンバータ、電流ドライバ、多くのアナログスイッチで構成されています。D/Aコンバータはセンサーグリッドに流す電流波形を出力します。またA/Dコンバータは同じセンサーグリッドから戻ってきた信号波形をA/Dしデジタル信号処理回路に渡します。
EMRの電磁授受作用
ここではEMR技術、電磁授受作用の「電磁エネルギーをペンに授ける励磁モード」について説明しています。
コントローラは一本のグリッドのコイルを選択し、そこにペンの共振周波数と同じ周波数の交流を流します。
このグリッドのコイルと電子ペンのコイルはトランスの一次コイル、二次コイルのように機能しますので、電子ペンのコイル両端に発生する電圧で、電子ペンの共振回路が共振し、電気エネルギーを蓄えます。

電子ペンの共振回路が共振を始め、電気エネルギーが蓄えられるとコントローラは授受切替スイッチを「電磁エネルギーをペンから受ける受信モード」に切り替えます。
検出された信号の振幅 (右の図を参照) は、グリッドボードコイルとペンコイル間の距離を表します。
電子ペンの共振エネルギーは、電子ペンのコイルを一次、グリッドのコイルを二次コイルとしてグリッドコイルに電力を戻します。
この電圧を検出することで、グリッドコイルの上に電子ペンがあることを検出します。 アナログマルチプレクサは、グリッドボードのコイルを切り替えて画面領域全体を順次スキャンし、検出された信号強度のマップを作成します。

座標値の算出方法
このアニメーションは、グリッドボード上にある複数のコイルを使って座標値を算出する方法を説明しています。
電子ペンから返ってくる信号が最も強いアンテナを中心にして二次式で近似、頂点を微分して求めます。このため、グリッドボードのピッチよりはるかに細かい分解能(10μm)で電子ペンの位置を検出することができます。
電子ペンの位置座標の算出原理
- 複数のグリッドコイルを順番に電磁授受させながら返ってきた信号の強度をサンプリングする
- 二次式で近似します
- 微分をして頂点の位置を電子ペン座標とします

